うさぎの古い日記

今朝は、クライアントへ直行するスタッフが多かったため、いつもよりのんびりと新聞を読んでいた。

すると、この業界３０数年のくまごろうさんが、「ネズミ君は、あまり実務経験がないのかな？」と言い出した。

くまごろうさんは、来年、定年退職し嘱託になる。主に、くまごろうさんの担当するクライアントを引き継ぐため、ネズミ君は採用されたのだ。

「なんでですか？」と尋ねてみると、昨日の出来事を教えてくれた。

クライアントでの監査中、いくつかの問題点をあげ、確認することがある。

昨日、初めて、その確認作業をネズミ君に任せてみたらしい。
が、かなり的外れなことを、クライアントに質問したらしい。

「問題点は、そこじゃないだろう。」と、くまごろうさんが言うと、黙り込んでしまうネズミ君。
「問題点は、ここじゃないのか？」と聞いても、黙ったまま。
「こうこうこうで、かくかくしかじかだろう。聞こえとんか？！」と言うと、ようやく「はい。」と返事したとか。

実務経験が売りだったから、採用したんじゃないの？と不思議がる、くまごろうさん。
だよね。経歴書には、なんでもできそうなことが書いてあったもんね。
私自身も、他の仕事の話しをしたときに、全然通じなかったことがあった。

くまごろうさん曰く、問題点がわからないのは、まあ許そう。
学習と経験の積み重ねで、なんとかなる。
だけど、黙り込むのはもってのほかだ。
クライアントは、返事を待っているのだ。


そう！先日も、こんなことがあった。


ネズミ君が担当することになった会社のデータを見たボスが、ネズミ君にある質問を投げかけた。
「これは、なんで？」・・・・・・ネズミ君からの返事は無い。
自分のデスクに戻って、考え込んでいる。
ボスは、そのデータを手に、しばらく待っていた。
が、返事は無い。
別のデータに目を通しながらも、ボスは、ネズミ君の返事を待っていた。
ネズミ君は、うつむいて考え込んだまま。

ん？どした？無言の行か？

私のデスクは、目の前にボス、隣にネズミ君。
ボスの顔色を見ながら、ボスも気が長くなったよなぁ。
だけど、そろそろタイムリミットだ・・・と思った瞬間「だから、どうやねん！！」とボスの大声。
ひえ～っ！
私が怒られている気分になった。


翌日、ネズミ君に「朝から、ごめんね。」と言いながらも、ちょっと小言を言う私。

黙り込んではいけないのよ。
相手は、あなたの返事を待っているの。
ボスや職場内のほかの人に対しても、クライアントに対しても、同じ。
あなたに聞いた限りは、あなたの返事を待つわ。
そりゃあ、ボスの質問は「どこに目がついてるの？」と思うほど、突拍子もないことだったり、すごく難しいことだったりするけど、それでパニックになっていたら、○務○の相手なんか出来ないよ。

実際に、私なんか「わお！」とか「ギャー！」とか「あら、そうですねぇ。」とか「どうだったっけ？」とかで、結構ごまかしているよ。

聞かれたことに、即答できなければ、「ちょっと調べてみます。」と言えばいい。
わからなければ、「わからないので教えて下さい」って言えばいい。
それは、なんにも恥ずかしいことじゃないし、誰も笑わないよ。
とにかく黙っていてはダメ！

・・・と言った話しをしたばかりなのにな。
なんにもわかってないんじゃないの？

今日の帰りにでも、飲みに誘って、もう一度、その話しをしてみようかなと思ったけど、雨も降っていたし、暗い空気を漂わせているネズミ君を見ると、飲みに行く気もなくなってしまった。

もっと元気出して、明るく仕事しようよ！ね！？

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