うさぎの古い日記

新潟の地震以来、気分が優れない。被災地の方は、この冷たい雨の中、不安で不自由な毎日を送っているのだと思うと、悲しくなってくる。
そして、この国の予算は、震災復興のためには、少なくとも１兆円は必要だというのに、３千４００億円しか予備費が無いという。自転車操業丸出しの国家予算。神戸の地震での経験が、何も生かされていない。ますます悲しくなってくる。

仕事中、この雨は、一日中、降るのかなぁと窓の外を眺めていた。

道路の向こう側に、傘をさし、大きな荷物を持って歩いている視覚障害者の方が見えた。手には白い杖。危ないなぁ・・・と思いながら見ていると、壁にぶつかってしまった。「左よ」と思わず声が出てしまった。私の声は聞こえるはずもないのだが、その人は左に行き、壁を避けた。
その瞬間「危ない！」と叫んでしまった。その人の横を自転車の少年が、通り過ぎた。自転車が当たりそうだった。自転車の少年よ！歩道には、もっと道幅がある。君が通る場所は、他にもあっただろう。なぜ、その人の、すぐ横を通るのだ！その人が視覚障害者だろうが、そんなことは関係ない！
ムカムカして、職場の人が「どうした？」と聞いているのにさえ、気がつかなかった。
学生の頃、彼と歩いていた時に、似たような出来事があった。視覚障害者の人が、踏切の場所がわからず、線路の金網を手探りしていた。それを見て、彼がクスッと笑った。私の空耳かと思い、彼を見ると、表情は笑っていた。ムカムカした。「なに笑ってんのよ！」と言い、彼をその場に残して、私は、その人のそばに行った。「踏み切りはこっちですよ。一緒に渡りましょ。」と言って、私は、その人と手をつないで、踏切を渡った。
そして彼のところへ戻った。すると彼が「なんでそんなことするねん」と言う。「なにが悪いの？」と聞く私は、既に怒っていた。「恥ずかしいやん」と言う彼。恥ずかしい？何が？照れくさいの間違い？・・・でも、もう限界だった。「あの人を見て笑ったアンタの方が恥ずかしいわ！！」と言って、私は家に帰った。
その日から、その人からの電話には出なかった。偶然に会うことがないように配慮した。元気にしているかな？なんて気にもならない。別れて正解だ。
嫌なことを思い出してしまった。

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