うさぎの古い日記

目覚めてしばらくは、晴れていた。掃除・洗濯を片付けたころに、空が暗くなってきた。

こういう悪天候の日に連行するのは、かわいそうだけど・・・。すやすやと眠っているみのりの首根っこを捕まえて、キャリーバッグへ詰め込む。

毎年６月は、みのりのワクチンと健康診断。

今日は、初めて行く病院なので、私も緊張する。

受付を済ませて、待っている間、「おーんおーーーーーん」と鳴き続けるみのり。いや、私だって、不安で泣きたいくらいだ。だけど、信頼できるホームドクターを見つけるまで、流浪の民となることを決意したんだ。みのり、二人で頑張ろう！

・・・などと、小さな声で話しているうちに、診察室へ招かれた。体重測定、体温測定、血液検査、ウィルス検査、レントゲン、５種混合ワクチン。

そのどれもが、とてもみのりと私にやさしい。先生の説明も、とても丁寧。助手や看護師のお姉さんも、美しくて、やさしい。このみのりが、私以外の人にだっこされてるなんて！？と目を疑うほどだった（笑）

そして、５人のお姉さん全員が、みのりのそばに寄ってきて、あやしてくれる。みのりが怖がって尻ごみするパワーより、お姉さんたちがかまってくれるパワーの方が勝っていた。みのりは、完全にお姉さんたちのペースに巻き込まれていた。

何もすることがない私は、先生のお話しを聞くことや、診察している様子を、じっくり見られる。集中できる。

そして、「かわいい顔をしていますね。」と誉めてくれる。親バカには、これ以上嬉しいことは無い。

みのり、流浪を続けなくても、ここで良いかもしれないね。みのりのホームドクターが、見つかったかもしれないね。みのりは、どう思う？

だが、ショックなこともわかった。

触診の際、「腎臓が小さい」と言われた。念のため、腎臓の血液検査をより詳しくしてもらった。腎不全の初期らしい。人間で腎不全って言うと、障害者手帳がもらえるし、透析が必要だよ。

先生のお話しでは、「私がこういうことを言ってはいけないのですが、あまり神経質になって、あれをしてはいけない！これを食べてはいけない！とは思わないで下さい。それが、みのりちゃんのストレスになります。このコは、できるだけストレスのないように、楽しく生活させてあげて下さい。まだ初期なので、治療と言うよりも、これ以上悪くならないようにすることが大切です。一応、腎臓病用の治療食を出しておきますが、食べなければ食べないでかまいません。食べてくれたら、連絡をください。絶対に、無理に食べさせようとしないで下さい。」とのこと。


（いただいた治療食は、これです）

腎不全はショックだが、今回は取り乱すこともなく、冷静に聞くことができた。

それにしても、みのり。今日は、たくさん頑張ったね。おりこうさんだったよ。


（突然、無理に連行されたので、呼んでも、こっち向いてくれません。ふてくされているのでしょう。）



でもね、私以外の人に抱かれているみのりを見るのは初めてだったらから、なんだか寂しかったわ。

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