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2006年11月16日

待ちわびて。

そのコと初めて会ったとき、そのコの尻尾は、すでになかった。尻尾の骨が、根元から折れて、尻尾が立てられなくなっていたらしい。だから、うんこさんが、全て尻尾にくっついてしまう。汚い。

動物病院へ連れて行くと、即、手術。不衛生が原因で、病気を引き起こすかもしれないので、尻尾を切断したそうだ。栄養失調でやせ細り、毛艶も悪く、瀕死の状態だった。

そのコの名前は、ふじこ。
以前から私のブログを読んで下さっているかたは、ご記憶にあるだろうか?伯母が可愛がっている猫だ。

ふじこのために、病院で引き止められているにもかかわらず、1週間で退院し、一日一度は、タクシーを飛ばして帰宅していた。


伯母は、家に迷い込んで来たふじこを保護し、毎日、病院へ連れて行っていた。

尻尾を手術して間もない頃、私は、ふじこに会った。第一印象は、「どうしてこんなに元気がないの?」だった。

それ以来、ほぼ毎日、伯母の元へ通い、ふじこにおまじないをした。「お手当て療法」と言うのだろうか?両手をふじこの体に触れるか触れないかの場所にあて、「元気になれ!」と心で念じて、パワーを送る。

1週間ほど続けたころ、「病院の先生がビックリするのよ。なんで、こんなに元気になった?って聞かれたのよ。」と伯母が言う。病院での治療の効果が出ただけなのだが、調子に乗った私は、1ヶ月ほど、お手当て療法を続けた。みるみるうちに、ふじこは元気になった。そして、もう10年以上、ふじこは伯母と一緒に暮らしている。

私が、最後にふじこに会ったのは、1ヶ月ほど前になる。ギスギスに痩せて、毛はぼそぼそ、目からは膿が出ていた。ひと目で「猫エイズの末期だ。」とわかった。「にゃお~ん、にゃお~ん」と鳴きながら歩き回っていた。私の膝に乗っている間も、ずっと鳴いていた。こんなになるまで放っておいた伯母の無責任さが、腹立たしかった。

しかし、入院している間に、ご近所のかたに可愛がられて、伯母のことを忘れたかのように振る舞うふじこが、伯母には恨めしかったかもしれない。

ふじこをできるだけ早く病院へ連れて行ってあげてほしいと、伯母に頼んで、その日は、帰ってきた。

数日後、伯母は約束を守ってくれた。病院で点滴を受けたふじこは、少し元気になったようだと聞いていた。




そして、その夜から、ふじこは帰って来ない。

伯母は、何日間かは、ふじこがいつ帰ってきても良いように、玄関をあけたままで過ごしていた。探し回って、夜も眠れない日が続いていた。

2週間ほど前、夕食を一緒に食べたとき、「寂しくて」と言う伯母に、「伯母ちゃんが寂しいよりも、ふじこがしんどくないことの方が大事よ。」と冷たい言葉しか言えなかった。

今日、やっぱり伯母のことが心配なので、電話してみた。「また寂しさがこみあげてきてね。」と泣きそうな声だった。

来週には、時間を作って、伯母の寂しい思いをゆっくり聞こう。

ふじこ、どこにいるの?
もう、ここにはいないの?
ふじこ、伯母ちゃんね、ふじこをずっと待ってるのよ。
少しの物音でも、ふじこが帰ってきたんじゃないかと思って、ふじこの姿を探してるよ。
あんなに歩くのが遅いくせに、探し回ってるよ。
ふじこのことを、待ちわびて、待ちわびて・・・。
ふじこ、早く帰ってきて。
もし、もうここにいないんだったら、伯母ちゃんが、あなたのことを諦められる、何かのしるしをちょうだい。


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Posted by うさぎ at 21:32│Comments(16)家族
この記事へのコメント
・・・・・。辛いですね・・・・・・・。ふじこちゃんどうしてるんだろ?昔の猫だと死に姿は誰にもみせないから死期が近づいた猫は何処かに行ってしまう・・・・。と聞いてましたが、最近は違いますよね。実家のニャンもフラフラで出て行って帰ってこなかった事がありましたが、最後はコタツの横の自分のベットから虹の橋の上へ行ってしまいました。
叔母さんの元へ帰ってくるといいですね。
Posted by hiro at 2006年11月16日 22:24
こんばんは。
なんだか泣けて泣けて・・・
叔母様のお気持ちが痛いほどわかります。
ふじこちゃん、もし近くにいるなら姿を見せて!
消息がわかるものを見せてちょうだい。
帰ってきてほしいです。
Posted by 家主です。 at 2006年11月17日 00:15
何だかとても悲しくて、泣けてしまった。。
心配ですね。一体どこに行ってしまったのやら。
どんな姿でもいいから、帰ってきて欲しいです。
きっと伯母さんは、あの時もっとこうすれば良かったとか、もっと早くみてあげれば良かったとか、いっぱい後悔していると思います。だから、責めないでやってね。
ふじこちゃんに、ここのブログが読めたらいいのにね。
こんなに待っているって知ったら、帰ってきてくれるかなぁ。
うさぎさん、この記事を、リンクさせていただいたけど構わないかしら?もしイヤだったら言ってね。すぐ書き替えますから。
Posted by ねじっこ at 2006年11月17日 13:15
☆hiroさんへ
hiroさん、こんばんは☆
本当に、ふじこは、どこへ行っているのでしょう?こんなに心配しているのに・・・。「夜になると、ふじこが帰ってくるから」と思っている伯母は、待ち続けて、昼と夜の生活が、全く逆になっているようです。

伯母と、やっぱり猫は、最期の姿を人間に見せないから、出て行ったんだろうね・・・と話していたんです。それでも伯母は、待っているんです。寂しいですね。
Posted by うさぎ at 2006年11月17日 18:25
☆家主さんへ
家主さん、こんばんは☆
伯母とふじこのために泣いて下さって、ありがとうございます。
そうですよね。猫好きさんには、伯母の気持ちを理解していただけると思います。待ちくたびれて、「もう待たない!」って決めても、物音がすると「ふじこが家に入れなくて困ってるのかな?」と外まで見に行くんですよ。
もし、もう生きていなかったとしても、伯母の家の近くにいると思うのですが・・・。
Posted by うさぎ at 2006年11月17日 18:30
☆ねじっこさんへ
ねじっこさん、こんばんは☆
伯母とふじこのために泣いて下さって、ありがとうございます。
本当に・・・ふじこは、どこへ行っているんでしょうね。伯母が入院している間に、結構、行動範囲が広くなっていたらしいです。まだ鳴きながら、どこかをさまよい歩いているような気がするのです。
伯父が亡くなったあと、伯母をいつも見てくれているのは、ふじこだったんですよね。ふじこがいるから、家でおしゃべりする相手がいたんですよね。
「夜になると冷えるから、ふじこが寒がってるわ。」とか言い出すんですよ・・・聞いている私が、泣けてきます。

私のブログで、お役に立てることがあるのなら、どんどん!リンクして下さ~い!
Posted by うさぎ at 2006年11月17日 18:36
こんばんは。
ふじこちゃん、どこにいるの?
もう1ヶ月くらいたつのですか?
心配ですね。
おばさまの気持ちを考えると・・・。
「手当て」は私もしますよ~。
手を当てる前に、両手を合わせて、力をたくわえてから、痛いところに当てます。不思議と効きますよね☆
Posted by ことり at 2006年11月17日 19:40
ふたたび、こんばんは。
気になって、ネットの迷い猫情報を探してみました。
ふじこちゃんらしき猫さんは見つけることができませんでした。
病気の具合も気になりますが、もしかして、運良く、うさぎさんと同じようにお手当てできるような方に保護されて、驚異的に回復・・ってことも考えられますから。
ふじこちゃんが見つかることをお祈りします。
Posted by ことり at 2006年11月17日 21:32
☆ことりさんへ
ことりさん、こんばんは☆
ふじこの姿が見えなくなって、もう1ヶ月と少しになります。ふじこのことも、伯母のことも、心配です。
迷い猫さんの情報サイトがあるのですね?調べて下さって、ありがとうございます<(_ _)>

伯母とも話しをするのです。
もうダメだったんだろうね・・・
しんどかったのに、精一杯、頑張ったんだろうね・・・
点滴を打ってもらったから、長い旅へ出る力が出たのかもしれないよ・・・
もう帰って来ないことは、わかっているんだけどね・・・
それでも、たくさんの愛情を注いで育てた飼い主としては、何らかの結果を見るまで、諦められないものなのかもしれません。結果を見ると、余計にショックなのに・・・。

ことりさんもお手当て療法をなさるのですね!?昔、母が「ごまかし」でやってくれたのを思い出したのです(笑)不思議と効きますよね。
ことりさんは両手を合わせてパワーを蓄えるのですか?私は、自分の体の仲にパワーを充填するのですよ。
Posted by うさぎ at 2006年11月17日 23:27
胸がつまる思いです。私の信頼しているうさき専門店にも看板ネコがいました。初めてお店に行った時、何でうさぎの天敵が!って思ったのを今でも覚えています。そのネコはこの間亡くなりました。初めて会った印象は最悪でしたが、私はすぐにそのネコが大好きになりました。よかったら店長さんが手記を書いていますのでのぞいてみて下さい。
私のブログからリンクできるようにしておきますね。

きっとふじこちゃんは戻ってきます。必ず!
Posted by みのりの相棒 at 2006年11月17日 23:30
うさぎさん、私もリンクさせていただきました。
いつも事後報告ですみません。
Posted by みのりの相棒 at 2006年11月18日 00:59
この辛さを味わいたくないために,
猫の室内外飼を推奨するひとがいます。

私も何匹、
帰らない猫を待ったかしれないけれど、
それでも、可能な限り室内飼はしたくないな。
幸せの向こう側には辛さがあって
バランスがとれているのだと思うことにしています。

うちの場合は,
いなくなったコ,亡くなったコは、
次ぎにくるコのために場所を空けている
と思うことにしています。
Posted by z0ra at 2006年11月18日 06:43
☆みのりちゃんの相棒さんへ
みのりちゃんの相棒さん、こんばんは☆
リンクをはっていただいて、ありがとうございます<(_ _)> ふじこも、伯母も、喜んでいると思います。

うさぎ専門店の店長さんの手記、是非、読ませていただきます。うさぎちゃんとにゃんこは、天敵なんですね。そりゃ、そうですよね。にゃんこって、わりと激しい性格していますものね(笑)

さっきも伯母の顔を見に行ってきたのですが、寝起きでしたねぇ・・・ふじこを待って、眠れないのでしょうね・・・。
Posted by うさぎ at 2006年11月18日 19:24
☆z0raさんへ
z0raさん、こんばんは☆
伯母は、仕事も持っていないし、気分転換もしにくい環境にあるので、なかなか、ふじこから気持ちが離れないのでしょうね。
猫がいなくなった寂しさは、猫によってでしか癒されないと、私は思っているので、次の猫が来てほしいです。
みのりの病気が発覚したときに、すごい後悔したので、室内飼いの方が良い!と思ったり、みのりが外に出たがる姿や、外で嬉々として遊んでいる姿を見ると、やっぱりお外にも出してあげたい!と思ったり・・・そのあたりは、本当に難しい問題です。正解は、ありませんしね・・・(^^;)
Posted by うさぎ at 2006年11月18日 19:31
うさぎさん、私誤解のある書き方をしてしまったようです…うさぎは本来捕食動物なんです。私はみのりと暮し始めて間もない頃は色んなうさぎ飼育本をよみあさり、頭でっかちなところがありました。だからどの本を見てもネコとうさぎは相性が悪いと書いてあったのです。でも私のうさぎ友達の中にはうさぎとネコと一緒に暮している方が多いんですよ。
それに私はネコが大好きです!いつか一緒に暮せる日夢見ているんです。誤解のある書き方をしてしまってごめんなさい。
Posted by みのりの相棒 at 2006年11月18日 21:02
☆みのりちゃんの相棒さんへ
こんばんは♪
ん?私、なんにも誤解なんてしていないつもりですよ(^-^) だから、謝ったりなさらないで下さいね♪

うわ~!うさぎちゃんとにゃんこと一緒に暮らしているかたがいらっしゃるのですね?!それは、何より嬉しいです(*^^*) だってねぇ・・・どう見ても、みのりちゃんより、うちのみのりの方が、性格が激しいのですよ(笑)
Posted by うさぎ at 2006年11月18日 23:05
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