不審者。
平日の夕方や週末になると、我が家の前は、近所のガキども・・・いえ、失礼!子供たちの遊び場と化す。
道路いっぱいに遊び道具を広げ散らかしたり、ご近所のお庭にボールをぶつける。
「車が来ると危ないから、ボール遊びは公園でしなさい!」「通る人の迷惑になるから、片付けなさい!」と注意する私は、子供たちにとって、うるさいおばちゃんなのだ。
今日、私が仕事から帰って来ると、子供のうちのひとりが「なー、見せたいもんがあるねん。」と言う。「なー、見にきてえや。」と、家に入ろうとする私を迎えにくる。
なに?このフレンドリーな態度は、いったいなんなの?いつもは、私が声をかけても、返事さえしないこともあるのに。
この手にひっかかって、見に行ったら、へびとかヤモリとかを見せられるんちゃうの?
それとも、「アホが見る~♪ブタのケツ~♪」か?
そんな時は、素直に驚いたり、悔しがったりすると子供たちの思うツボだから、平然と落ち着いて「なんや、そんなもん!」と言ってやらなきゃね!
心の準備を整えて、ドキドキしながら、このコの家まで、着いて行った。と言っても、ほんの数秒で到着。
自分の家のドアを指差し、「昨日なー、泥棒が入って、カギ、壊されてん。」と言う。ドアを見ると、ドアノブそのものが無い。穴が開いている。
「ギャー!」
へびやヤモリは予測できたが、こればかりは、驚きを隠せなかった。怖い。
家族は無事なのか?何か盗られたのか?確認するだけで、精いっぱい。
お母さんは? 夜勤。
お父さんは? 出て行った。
そして、そのコは、誰もいないドアノブのない家に入ろうとする。
「怖くないの?お父さんかお母さんが帰ってくるまで、おばちゃんちに来る?」
「ううん。大丈夫。」
本当に大丈夫なのか?
ねえ、お父さん、お母さん、こんなときくらい、子供のそばにいてあげてよ。あのドアノブの穴を見ると、私でも怖いよ。不安になるよ。
そのコのその後が気になるので、何度もそのコの家の前まで見に行く。私こそが不審者だよな。
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