隣人。

うさぎ

2006年09月10日 07:40



隣近所とのお付き合いを好まない人が増えている・・・だとか、ご近所とのお付き合いが希薄になっている・・・だとか言われるようになって久しいが、我が家は例外だったと思う。

父子二人暮らしと言う環境の影響か?はたまた、私が、何にも知らないおバカさんだからか?我が家の隣家の住人は、とても優しい。

しかし、そのお隣さんが、昨日、引っ越して行ってしまった。
私が、現在の家に引っ越してきた頃は、隣家は、ご家族4人でお住まいだった。ご夫婦と社会人のお嬢さん二人姉妹。ところが、2年前にお嬢さん二人は、それぞれ別々にマンションを借り、一人暮らしを始めた。

この2年ほどの間に、お嬢さんがたは、一人暮らしの不便さ、不経済さ、両親のありがたみを思い知ったのだろう。再度、ご両親と一緒に住みたいと言ったそうだ。

そこで、ご両親は、25年もの長きに渡って住み慣れた家だが、老朽化も目立ってきたので、この家を離れる決意をしたのだとか。

今後は、車で10分ほどの距離にあるマンションに住み、定年を迎えたお父さんの負担を少なくするため、二人のお嬢さんが家賃を払ってくれるらしい。

やっぱり、家族は一緒に住んだ方が良い。だけど、私は寂しくてしかたがない。今までの人生の中で、これほど良いお隣さんはいなかった。最高のお隣さんだった。

私が、ここに引っ越してきて間もないころ、ご近所に馴染まない私を気遣って、みのりがお散歩に行く駐車場で、焼肉パーティーをして下さった。

それに、ことあるごとに「お父さん」「○○(私の名前)ちゃん」「みーちゃん」と声をかけて下さる。

町内会の当番の時は、不慣れな私でも、ちゃんと勤まるように、いつも私が楽になるような提案をして下さった。

お父さんの方は、定年退職したが、再雇用で週に3日ほど出勤している。お母さんの方は、日用品のお店で事務のパートをしている。朝早くから、掃除・洗濯を片付け、9時前になると出勤する。ご夫婦二人とも、働き者で、気さくで、穏やかなお人柄なのだ。

まだ、みのりの病気が発覚する前、みのりはお風呂場の窓から自由に出入りしていた。その当時から、弱かったので、他の猫にいじめられて、追いかけられて、泣きながら帰ってきていた。みのりの泣き声が聞こえると、飛んで外へ助けに出たものだった。

ある日、みのりの泣き声が聞こえたので、大急ぎで外に出ると、お隣のお父さんが「みーちゃん、大丈夫か?」と、私より先に外へ出ていたことがあった。

みのりが一人で外へ出ていると「みーちゃん、おはよう」と、話しかけてくれる声が聞こえたりしていた。

このお父さんに、みのりは何度、助けてもらったことだろう。

いろいろな想い出を話しながら、お隣のお母さんと並んで、引越し屋さんの作業を見ていると、涙が出てきた。お隣のお母さんも泣いていた。

お引越しをすると打ち明けられてから1ヶ月ほどの間、この日が来ることを、どれほど寂しく思ったことだろう。でも、二度と会えないほどの遠くへ引っ越すわけではないし、いつでも会いに行ける場所だし、偶然に会うこともありそうだ。寂しくなるが、幸せを祈って、見送ったのだった。

最高に優しくて、頼りになるお隣さん、お世話になりました。
ありがとうございました。
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